色はいらないけど軸がほしい

音楽、本、映画、人、言葉、時間その他諸々

ユーモアが助けるもの

この投稿の前に、書きたいことがあったんだけど、自分が書きたい!!と思っている熱量が文章に生かされていないため断念。悔しい。

 

最近思うことは、大学受験で入りたかった学部に落ちて、なんでも幅広く学べる学部、言い換えれば何を学ぶかは自分次第である学部に入ってよかったなということだ。

いつも自分以外の誰かの所為にして生きてきた私は、決められたことをやる、つまりは何をやるかを自分で選択しなくてよい方が変な気力を使わなくて済むからいいなあと思っていたが、そこに要する"変な気力"こそが今の私にとってとても重要な向き合わなければならないものである。

その"変な気力"を使って下した決断が世間的に見て、第三者から見てくだらないものに見えたとしても気にする必要はない。その決断が自分にとってマイナスなものに思えてきたとしても、他人の所為にしてはならない。加えて、自分の所為にしてもいけない。それがマイナスに思えるのはまだ過程にある状態だからだ。つまり、まだやってないのだ。私はまだやってない。

 

私は美容院が大好きだ。美容師さんはお話が上手な人が多くて、いろいろな話をすることができる。先日、訪れた美容院は表参道駅のすぐ側にある小洒落た美容院だった。スタイルブックを見て気に入ったスタイルがあったので、そのスタイルにしてほしくて、そのヘアを仕上げた担当の人を指名した。人あたりが良くて、話しやすいなと思った。私は美容院に行くと大体美容師さんに「どうして美容師になったか」と「美容師になってやめたいと思ったことはあるか」を聞く。前者はいろいろな答えが返ってくるが、後者は結論的に「ない」という返答ばかりだ。

今回の美容師さんの前者の答えは、「かっこいいと思ったから」だった。

まあ確かにかっこいいけど、軽いな、これからこの人に私髪切ってもらうんだよな、大丈夫かなと不安になってきたが、後者の質問をした。

 

「一回美容師やめてるんですよ。くだらないなって思って。美容師って稼げないし、拘束時間長いから全然遊べないし。

でも、やめたら時間ができるわけじゃん。その時間をね楽だとか楽しいとか思えなかったんだよね。美容師として働いていた時間をちょっと恋しく思った笑 

あの時はやってなかった。何もやってないのにやめるってなんか違うなって。そっからめっちゃ美容師として技術上げたくなって今に至る。」

 

うわあ、どんなヘアになっても今日ここの美容院きてよかったなと思った。人が何かをやめたいと思う時は、コストを考える、他のことに目が行く、向上心より辛い気持ちが勝る時などさまざまだ。何かのために頑張るという気持ちでパフォーマンス力を上げる人もたくさんいるが、その行動をすることが楽しいと思えることはやはり何よりもパフォーマンス力を上げるのだと思った。そして、序でに人間としての魅力も開花させるのだと思った。その「楽しい」を得るためにはおそらく”変な気力”が必要になってくる。この人の凄いところは、やめた時間を退屈だと思ったところ。そこで退屈だと思うのも才能だ。愛があったからとは言い切れない。だって、やってから気づく愛もあるもんね。でも、「くだらない」「やってない」とかの言葉の言い方だったり選び方にどこか私に似ているものを感じたから、この人を遠ざけずに楽しく会話が出来たんだと思う。

 

同じ方向性ではなくても、何かを前向きに頑張っている人に囲まれている環境にいることを幸せだと感じることが多いこの頃。何が言いたいんだかよくわからなくなってしまったけど、これから二ヶ月間少し頑張ろう。